背景
東産業株式会社は、焼肉店向けに無煙ロースター・しちりんフード、空調その他厨房設備の設計施工を主業務として、首都圏を中心に3,000件をこえる取引先を持つ老舗企業です。
東産業様は、近年ホームページ経由でのお問い合わせが増えていることもありWebマーケティングに力を入れてらっしゃいました。
弊社では焼肉店設備に関係すると思われる検索ユーザーを幅広く集客することを目的にリスティングの運用をお手伝いさせていただいています。
Web集客は満足。しかし・・・。
リスティングを実施したことで、ホームページへの訪問者は増えたので満足はしていただけていましたが、リスティングからの訪問の「直帰率が高い」ことが課題でした。
当然、直帰率が高い原因を探るためにGoogleアナリティクスの解析データを見て分析をしていきました。
しかし、リスティングは数多くのキーワードで集客をしていたために、分析をするにも非常に時間がかかり、またキーワード単位で直帰率の良し悪しを判断しても、実際にどのようにランディングページを修正すれば良いのか?という具体的な改善策へはつながらない状況でした。
リスティングの広告設計を見直し
具体的な改善策へつながらない原因は、リスティングの広告設計がきちんとできていないことです。
リスティングの広告設計とは、誰に(キーワード)、何を伝えて(広告文)、どのページを見てもらうか(リンク先ページ)、という一連の流れに関連性を持たせ、ユーザーの購買意欲に応じて重み付け(入札価格)を行なうことです。
リスティングを実施するにあたって、この広告設計がきちんとできているかどうかは、リスティングのパフォーマンスを上げるためには必要不可欠ですし、その後の検証(アクセス解析)を行なう上でも非常に大切なポイントです。
東産業様でもリスティングを単なる集客ツールではなく、ホームページをより良くしていく仮説検証ツールとして活用していくために、リスティングの広告設計を見直しさせていただきました。
検索キーワードからユーザーニーズをグループ化
実際に行なった東産業様の広告設計の進め方をご紹介いたします。
東産業様のもっとも重要なターゲットは、焼肉店設備を具体的に探しているユーザーです。
「無煙ロースター」や「しちりんフード」といった焼肉店で使われる設備に関するキーワードや、「焼肉 換気扇」「焼肉 ダクト工事」といった“焼肉”を含む複合キーワードが考えられます。
次に、飲食店全般の設備を探しているユーザーを考えてみます。
想定できる検索キーワードは「業務用厨房 換気扇」や「厨房 ダクト工事」などです。
これらのキーワードは、飲食店設備へのニーズがあることはわかりますが、“焼肉”のようなキーワードが含まれていないため、どのような形態の飲食店かはわかりません。
その他にも、厨房の臭いに困っているユーザーは「脱臭」などのキーワードで検索をするでしょうし、煙に困っているユーザーは「排煙」などのキーワードで検索するでしょう。
このように検索キーワードをユーザーニーズごとにグループ化し、その中で自社のホームページに来てほしいグループから重み付けを行ないます。そして、それぞれのグループ(=ユーザーニーズ)にマッチした広告文を考えていき、関連性の高いリンク先(ランディングページ)を選択します。
「ニーズ=悩み」と考えれば、その「悩み」に答えられるページをリンク先に設定することで検索ユーザーの満足度も高くなり自社に興味を持ってくれるかもしれません。そして、ユーザーニーズをグループ化することでアクセス解析ツールでの検証がしやすくなります。
1つのグループが1つのユーザーニーズとなっているので、そのグループから訪れたユーザーがホームページをどのように見ているのか分析すれば、ホームページがユーザーニーズに答えられているのか?答えられていない場合どこに問題があるのか?など検証がしやすくなります。
まとめ
このような流れで東産業様のリスティングの広告設計を見直しさせていただき、課題であった直帰率も具体的な改善策へと進めることができました。リスティングの広告設計は、ホームページの検証作業に非常に役立ちますのでぜひ行なっていただきたいポイントだと思います。
(2014年12月公開)