戸建住宅業界の構造変化に危機感
株式会社ナガイは、自然素材を使った建材を中心に扱う老舗建材商社です。これまで工務店をはじめとしたプロユーザーへの営業を軸に順調に業績を伸ばしてきましたが、お施主様のこだわりが多様化し、お施主様に指名していただく、選んでいただくことが売上増加のカギになっていました。
このような状況の中、3代目社長の就任を機にお施主様への営業強化の方針を打ち出したのです。しかし、主力製品での急激な方針転換は大きなリスクを伴います。そこで、新商品である環境壁紙「エコフリース」を使って突破口を開くことを決断しました。
新しい道を拓くにあたりお考えになったことの1つがWebマーケティングへの注力。しかし自社内ではなかなか手が付けられずにいる中で、建材情報誌でお付き合いのあった弊社にお声がけいただきました。
お施主様からの資料請求を促すためのリスティング提案
「お施主様にアプローチするために何をすべきか?」
課題を見つけるためにまず行なったことはホームページの現状分析です。「エコフリース」製品ページの1か月の閲覧回数は600~700回ほど。PCからの閲覧が多く、土日にアクセスが大きく落ち込むという傾向は、プロユーザー中心のホームページの特徴と合致していました。実際、月に20件あった資料請求もほとんどがプロユーザーだったのです。
これらのデータから、そもそもお施主様に製品ページを見てもらえていないことをご報告しました。さらに、リスティングを使って、お施主様が自分に合った壁紙を検索するタイミングに合わせ「エコフリース」をPRしてはどうかとご提案させていただきました。
「エコフリース」のターゲットはこれから家を建てる人(メインターゲットは女性)。壁紙市場シェアの99%は塩ビクロスです。自然素材である漆喰やぬりかべのシェアが1%程度しかない市場で、塩ビクロスとの比較対象に加えてもらうため、まずはお施主様に製品ページを見てもらうことから始めました。
資料請求は1.5倍に。しかし、発売当初のセールスポイントが通用しない!
当初、「エコフリース」のセールスポイントは「何度も塗り替えができ、気軽に模様替えができる点」、そして「壁紙を張り替えずに済むため、廃棄ロスを削減できて環境にやさしい点」と捉えていました。塗り替えやリフォームでの使用が有力だと考えていたのです。そこでこの訴求点を元に、お施主様を意識したキャッチコピーと広告文を用意し「エコフリース」の製品ページへ集客を行ないました。
その結果、1か月のページ閲覧回数は5倍(3,000件)、資料請求は1.5倍(30件)にまで増加し、お施主様からの資料請求も増やすことができました。お施主様⇒工務店・内装業者⇒資料請求という流れも確認できて狙い通りの結果です。しかし、そこから実際に営業をしてみると、お施主様に響いていたのは塗り替えやリフォームという用途ではなく、美しさ(質感や色合い)と機能性(調湿)の方だったことがわかったのです。
美しさ(質感や色合い)と機能性(調湿)で勝負することに
リスティングを実施したことによって、単純な集客効果が得られただけではなく、ターゲットに本当に響くセールスポイントを見つけることができました。ナガイ様ではこれをきっかけに、カタログ、Webページ、そして営業トークに至るまで軌道修正に取り組んでいくことになります。
弊社でも「エコフリース」の美しさ(質感や色合い)と機能性(調湿)を前面に、ランディングページを見直すことで引き続きお手伝いをさせていただいたのですが、それに関してはまた次の機会にお話させていただきたいと思います。
お客様の声
リスティングの良いところは、紙媒体の広告のように一度出したら軌道修正できないのではなく、途中経過を見て検証⇒仮説⇒修正ができるところです。そのためには短期的な成果を追うのではなく、始めて1~3ヶ月程度は結果をチェックしながら試行錯誤する期間と考えることが重要です。コスモブレインズさんには随時傾向と仮説と改善案、時には挑戦的な取り組みをご提案いただき、非常に手ごたえを感じることができました。
本当に響くセールスポイントを活かし、カタログ・Webページ・そして営業トークに至るまで軌道修正されたその後のナガイ様の取り組みはこちら
(2019年5月公開)