Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2020年1月
株式会社ダイカン
診断URL:https://www.daikan.ne.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
きれいな画像と動画を効果的に使ったサイトです。特に【会社情報】の充実には感心しました。採用を意識していることも理由の1つだと思いますが、働いている「人」が見えることで親近感がでて、商品やサービスにも良い印象を受けました。こういった部分から丁寧に制作されていることがうかがえます。またメーカーとしての実力を裏付ける「社内試験設備」の紹介も好印象です。その上で販売は全国の取扱販社でカバーしており、具体的な相談は近くの販社に連絡すれば良いので、このサイトのゴールはカタログ請求やメーカーへの問い合わせとわかりやすい役割分担になっています。せっかくよくできたWebサイトなのでモバイル対応することを強くお勧めします。それからYouTube動画で最後まで閲覧したときに表示される他チャンネルの動画紹介はやめたほうが良いでしょう。
株式会社オミノ
診断URL:https://omino.ne.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
インパクトがあり豊富なバリエーションで自社ブランドの魅力が伝わります。そして、万が一故障があった場合の保証規定も準備しており好感が持てます。きれいなサイトだし情報も豊富だけど、なぜかしっくりきませんでした。それは「誰に」サイトを見てもらいたいのか?そして、「何を」伝えたいのか?どんな行動をしてほしいのか?が不明瞭なためかもしれません。ゴールから逆算し、ユーザーがアクションするために必要な情報と導線を用意することがこのサイトの課題だと思います。例えば、ユーザーの問い合わせがゴールならば、問い合わせの後直接会って打ち合わせを行なうのか?それとも電話やメールでのコミュニケーションでクロージングするのか?あるいは施工会社を紹介するのか?商談フローをデザインし、それに応じた「発注から設置までの流れ」をわかりやすく説明する必要があります。最後にiPhoneでSafariを使ってアクセスしましたが、Webサイトがきちんと表示されませんでした。(特定の環境で起こるエラーかもしれませんが)修正することをお勧めします。
株式会社発研セイコー
診断URL:https://www.hakkenseiko.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
「見て欲しいもの」と「達成したいこと」が明確なサイトです。無料お見積もり依頼と商品カタログ請求という2つの明確なゴールがあり狙いはわかりやすいのですが、その反面ユーザー視点のサイト運営という点では課題があります。サイト全体で「見て欲しい」という気持ちが強すぎるように感じました。特にグローバルメニューは少し考えすぎかもしれません。意図はよくわかるのですが、【部署紹介】を入れているのに肝心の【製品一覧】がないのは不自然です。無料見積もりとカタログ請求には製品情報のチェックが不可欠なはず。確かに【部署紹介】のページは丁寧に作られた良いページです。しかし、グローバルメニューに載せたことでサイト全体の導線にはマイナス面のほうが大きいように感じました。サイトが成長しページ数が増えていったときに「見て欲しい」気持ちが強すぎると、個々のページの主張が喧嘩をして情報が埋もれてしまうかもしれません。情報の整理整頓をすることと、ユーザー視点でサイト設計することを強くお勧めします。
株式会社セルテック
診断URL:https://www.sell-tech.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
全体としてはシンプルでストレスなく閲覧できる良いサイトです。特に良かったのは【ご依頼の流れ】。依頼から納品までの流れと、データ入稿についての説明・注意事項がシンプルです。また【設計士・デザイナーの方へ】では設計に必要な写真と図をダウンロードでき、カスタマイズに対応していることも伝えることができています。しかし、改善点がないわけではありません。施工例が見たくて【施工実績】を開いたのですが、実際は納入先一覧で期待した情報が得られませんでした。必要な情報があって、不要な情報がないのが理想のWebサイト。そのためには「誰に」「何を」伝えどうして欲しいのか?しっかり考えてターゲットユーザーが見たい情報を用意する必要があります。モバイル対応もまだのようです。早急に対応することを強くお勧めします。
6
この点線枠内に
キャプチャーを入れてください
株式会社サインビクトリー
診断URL:https://www.sign-v.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
ホール装飾と看板の専門企業らしいWebサイトです。企画・デザインから製作・施工まで一気通貫で行なうサービスということもわかりやすく表現できています。Webサイトに力を入れていることがよく伝わり好感が持てました。しかしモバイル対応ができておらず、また、情報過多でごちゃごちゃしすぎです。一度立ち止まって増殖したサイトの数々を整理整頓し、必要に応じて分離・統合し直したほうが良いかもしれません。「ホール装飾のPachiV」「看板業者様専用サイト」「看板通販サイト(全国対応)」「結婚式ウェルカムボード」「発泡スチロール製品通販」「ヨーロッパ調看板アドフォームルーブル&雅」「ローコスト看板シンプルサイン」「ブラケット看板ダヴィンチ」「ウェディングデコレーション(ブライダル業界用)」「オフィシャルブログ」と特設サイトが多すぎる情報過多と運営の負担解消が課題だと思います。コンテンツは良いだけに、うまく情報整理できれば魅力的なサイトになるでしょう。
PDF版ダウンロードはこちら
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/