ホームページの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にホームページを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のホームページを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、ホームページの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2019年4月
株式会社宝生
診断URL:https://kitweb.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
店舗ディスプレイ関連の幅広い商品を扱っていることが伝わる良いホームページです。オンラインショップも複数運営されておりWebに注力していることもわかります。少し気になったことはオンラインショップとオフィシャルホームページの役割分担があいまいなこと。極端に言うと、カートがあるのがオンラインショップで無いのがオフィシャルホームページというくらいの違いしかないように感じました。オフィシャルホームページとオンラインショップに分かれているメリットを最大限生かすことをお勧めします。オフィシャルホームページではオンラインショップにできないことを行なうと良いでしょう。例えば大ロットのユーザーへの提案や会社のPR、採用、サポート情報など、購入希望者以外をサポートするような情報を厚くし、ホームページゴールもお問い合わせや見積もり希望、資料請求等を検討して、もう少しオンラインショップとの違いを出すことをお勧めします。このホームページ自体はよくできています。複数ホームページで相乗効果を上げる視点を加えるとさらに良くなると思います。
株式会社マツダ金属製作所
診断URL:http://www.matsuda-clamp.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
TOPページの文字が少し多いのが気になりますが、全体としてはよくできていると思います。しかし、悪くはないけど、印象が薄いのがこのホームページの欠点です。キラーコンテンツを用意し、他ホームページとの差別化を図ることをお勧めします。注力商品を決めて前面に打ち出す、施工例を充実させる、取付方法の解説に徹底的に力を入れるなどを検討してみてはいかがでしょうか。その他、小さな改善点は以下の通りです。TOPページ下部にある「Design Custom Order」バナーはクリックできず残念でした。しっかりページを作りカスタムオーダーに対応していることを伝えるか、いっそ削除してしまうか、はっきりさせたほうが良いでしょう。また、動画の活用もお勧めします(特に取付方法)。それに2018年7月から10か月近く更新が途絶えていることも気になりました。ホームページをリニューアルした2011年5月から時間も経っているので、そろそろリニューアルの時期かもしれません。常時SSL、モバイル対応した上で定期的に更新することをお勧めします。
株式会社ふじわら
診断URL:http://www.aioule.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
綺麗でデザインセンスの良いホームページですが、Chromeで見た時のホームページの読み込み時間が長いのが気になります。二度目からは通常のホームページと変わらない時間で読み込めますが、初めて見た時は時間がかかりました。ユーザーは3秒も待てません。すぐにページを閉じてホームページから去っていくリスクがあります。頻繁にアクセスする社内の人では気が付きにくい点だと思います。それと、TOPページのコンテンツエリアにクリックできるメニューがないというのも次のページに移動しづらく不便です。画像の使い方も良いしデザインも良いだけにもったいないことをしています。また、常時SSLは必須です。それからモバイルで見た場合のデザインも文字が小さくて視認性が悪く、クリック範囲も狭いので誤操作が起こりやすい状態になっています。もちろん拡大することは出来ますが、手間が多く不親切です。最後に、製品詳細ページの文章が画像になっているので検索にヒットしづらいことが推測されます。画像を貼り付けて終わりにせず、きちんとテキストとして掲載することをお勧めします。
株式会社アルティマ
診断URL:https://www.ultima-grip.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
綺麗なホームページでBlogもしっかり更新されており好感が持てます。がんばっているホームページですが、気になることが結構ありました。まず、グローバルメニューが11個と多すぎます。メニューはできれば5~6個が理想です。優先順位をつけて情報を整理整頓することをお勧めします。また、TOPページの最初のビジュアルが金具だけの画像だと製品をイメージしづらかったです。最初の画像は対象物とワイヤーシステム両方が映えるものが良いでしょう。ホームページ全体で半角カタカナを使用していることも違和感を覚えました。全角カタカナを使用することをお勧めします。それからホームページ自体のことではありませんが、社名検索しても1ページ目にヒットしないことが気になります。【動画】も最後まで再生すると関連動画として他の動画が紹介されていました。関連動画はOFFにできるので対応することをお勧めします。こうしたことが気になって、せっかくの良い点がかすんでしまっているように感じました。
タキヤ株式会社
診断URL:https://www.takiya.com/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
2019年1月にリニューアルしたばかりのホームページです。キャッチコピーの ”SUPPORTING GREAT ART” 、ホームページタイトルの ”ピクチャーレール、絵画展示は世界標準のコレダーライン” どちらもとても良いコンセプトだと思います。美術館にターゲットを絞り、絵画展示に特化した思い切りの良い作戦です。【製品紹介】も【納入実績】もこのコンセプト通りの内容で説得力がありました。特に「海外の納入実績一覧」、「国内の納入実績一覧」は圧巻です。なかなかできることではありません。素晴らしいホームページですが、少しEnglishページへのリンクが分かりにくかったです。絵画展示で世界市場を視野に入れているならば、多言語対応しているはず。なぜ英語対応していないんだろう?と最初は勘違いしてしまいました。モバイル対応もしていないのが少し気になりましたが、重箱の隅をつつくような指摘でしかありません。同業者のお手本になるホームページです。
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Webサイト診断※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のホームページを対象に診断を行っています。
※ホームページ調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からホームページを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるホームページ、失敗するホームページには共通点があるものです。
対象企業すべてのホームページを比較したうえで、各ホームページ問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/