Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2020年3月
日木産業株式会社
診断URL:http://www.nichimoku.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
全体の印象としては、余計な情報を置かないシンプルですっきりとしたWebサイトです。
キャッチコピーで日立グループというブランド力を全面に打ち出すことで、初見のユーザーでも安心感を得ることができます。ただ、大手の安心感を強調するからこそ、その分残念な点がいくつか目立ちます。Webサイトを訪問するユーザーに安心してサイトを利用してもらう上でいまや対応必須となっている常時SSL化が未対応です。また、【お問い合わせ】もメーラーが直接立ち上がる仕様になっています。ユーザーの利便性とセキュリティ面を考えると、SSL化した専用のお問い合わせフォームを作成したほうがよいでしょう。NEWSが2019年9月で止まってしまっていたり、【作品集】の竣工年別作品に情報がほとんどないのも残念です。2017年にサイトリニューアルされてから、3年近くになります。競合サイトと比較したときに、「日立グループ」というブランド力以外に、貴社の強みとなるアピールポイントも欲しいところです。この機会にWebサイト全体の見直しをされてみてはいかがでしょうか。
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Webサイト診断株式会社マルオカ
診断URL:http://www.maru-oka.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
このサイトを見てまず気になったのは、”マルオカは住宅資材の総合企業として住まいづくりのベストパートナーを目指します”というキャッチコピーです。どの企業でも使えるフレーズを使用していてもユーザーには響きません。また「事業の概要」は内容を見る限り貴社の強みを表しているページなのかと思いますが、「マルオカの強み」の様な見出しの方がユーザーも内容がスッと入ってきやすいのではないでしょうか。「工務店様サポート」ページの「住宅あんしん情報」は丁寧に説明が書いてあり、メリットがとても分かりやすいと感じました。ただ「マルオカサポートメニュー」の説明部分で”エコとコストダウンの両立”と書いてある部分に関しては、具体的にどんなサポートを実施し、その結果どのくらいコストが下がるの分からないと説得力に欠けるような気がします。貴社の魅力を直接知ることができる工場見学は、電話番号の記載だけでなくお問い合わせフォームからも事前予約できるようにしておくとより親切かなと思います。
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Webサイト診断株式会社森林経済工学研究所
診断URL:http://shinrin-ken.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
良くも悪くも大学発ベンチャーらしさが出ているサイトです。商売っ気をもう少し出した方が良いでしょう。現状のサイトには実験データのような製品紹介しかなく、情報収集を目的とするユーザーにとって不親切な印象です。さらにサイトに載っている情報は最新のものなのか?と不安にもなりました。というのも2011年からWebサイトの更新がされていませんでした。9年間更新する情報が1つも無かったのでしょうか。Webサイトは完成後が本番。常に最新の状態にアップデートする社内の取り組みが必要です。
またグローバルメニューも見直しが必要かもしれません。「木質トラス」「耐震補強」「関連商品」は一括りに「業務案内」にまとめ、「事例」を加えるのが良いでしょう。今のサイトでは、せっかく採用事例が掲載されているのに埋もれてしまっています。Webサイトを作られてから時間も経っている様子ですし、そろそろリニューアルのタイミングかもしれません。
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Webサイト診断株式会社東海プレカット
診断URL:http://www.tokaiprecut.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
サイト設計の曖昧さと導線の悪さが気になりました。例えば「拡張樹脂アンカー工法」はページ内のサブメニューと内容にズレがありわかりにくい部分があります。具体的に挙げると、「シンプルながらパワフルな継手方法」はこの工法の施工手順等を紹介するページなのに、冒頭の見出しが”自由度の高い空間デザインを可能に”となっており、次のメニュー「自由なデザインが可能」の内容と重複しています。どんな情報をどこに配置するかが定まっていないのだと思います。また、サイトゴールへの誘導も不十分です。せっかくユーザーが興味を持って閲覧してくれても、今のままでは最後まで読んだ後どこに進めばわからず迷子になってしまうと思いました。それから、【東海プレカットについて】に中身を詰め込み過ぎているようです。「加工事例」同様「拡張樹脂アンカー工法」もグローバルメニューに加え、【東海プレカットについて】内は「他社に無い付加価値」「特殊加工機械」「加工の流れ」「お客様との対話」のみにするとシンプルでしょう。メニュー名も【選ばれる理由】や【東海プレカットの強み】などに改めれば【会社概要】との違いが明確になると思います。「誰に」「何を」伝え「どうして欲しいのか?」を改めて考え、Webサイト設計を練り直すことをおすすめします。
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Webサイト診断※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/