木製サッシ業界 Webサイト診断

Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。

診断日:2019年8月


目次

キマド株式会社

診断URL:http://www.kimado.co.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
CO2削減やパッシブファースト住宅など環境を強く意識していることがわかり、会社の目指す方向性が伝わります。素晴らしい理念で共感する部分もありますが、お施主様やプロユーザーが木製サッシを選ぶ一番の理由にはならないと思います。個人的にはエコを前面に出すより意匠性や機能性、経済性など他の要素を打ち出すべきと考えます。そして木製サッシに興味を持ったユーザーに最後のダメ押しとしてエコを打ち出すほうが理にかなっています。「エコだから選ばれる」ではなく「選んだものがエコにもつながる」という喜びを与えたほうが良いと思うのです。TOPページの”木創研がめざす「パッシブファースト住宅」の提案広窓の家”というキャッチコピーの印象の強さと【キマドの木製サッシについて】のエコ押しの内容が、私の印象をミスリードしたのかもしれません。Webサイトも第一印象が重要。住宅を売りたいのか?木製サッシを売りたいのか?一瞬考えてしまう人もいそうです。本来ならばその時点でアウトです。ユーザーがページを閉じるきっかけになりかねません。自社が何者であるのか?誤解されることのないようにTOPページは慎重にデザインする必要があります。木製サッシメーカーなら”木創研がめざす「パッシブファースト住宅」の提案広窓の家”はNG。キャッチコピーにするなら”ゼロエネルギーハウスは「窓」が決め手”のほうがキマドさんのTOPページにはふさわしいでしょう。


株式会社川上製作所

診断URL:http://joy-wood.co.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
”100年の歴史を超えて、これからも日本の窓を考える”わかりやすいキャッチコピーで期待感が高まります。すごく期待して100年の歴史やノウハウを知りたいと思ったのですが、特に専用のページもなく看板だけで終わっていたのが本当にもったいないと思いました。今ある製品ラインナップと納入実績、施工事例を見ればわかるということかもしれませんが、私のように特別なコンテンツを期待する人もいるのです。きっとWebサイトに掲載していない100年の積み重ね、物語があるはずです。惜しまずに公開することをお勧めします。とはいえWebサイト自体はよくできています。シンプルでストレスなく閲覧でき、各ページよく作りこまれています。学校間仕切も興味が持てました。より具体的に製品提案ができていることが良い点です。更新が途絶えることなく継続できている点も素晴らしい。自分が欲張りすぎているのかもしれません。それでも、100年の歴史に裏打ちされた安心感や納得のノウハウをわかりやすく今のWebサイトに加えて欲しいと思います。


ユニウッド株式会社

診断URL:http://www.uniwood.co.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
きれいでコンテンツが充実しています。 ユニウッドの木製サッシと他の木製サッシとの違いや厚み、他素材のサッシと比べて優れた断熱性・防露性など、製品の強みを訴えるコンテンツもよくできています。自動見積もりのシステムも良いと思います。良いホームページなだけに惜しいと感じたのはナビゲーション。良い情報があってもナビゲーションが悪いせいでユーザーに読まれないものがありそうです。また、お問い合わせフォームで個人情報を収集されているならプライバシーポリシーは必須。早急に対応することをお勧めします。それからGoogleアナリティクスも導入されていないので、まずはユーザーがどのページをどのくらい見ているか現状把握することが先決だと思います。そうすることで問題点が可視化されるでしょう。


タミヤ株式会社

診断URL:http://www.tmy.jp/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
木製サッシの専門メーカーらしい印象の良いWebサイトです。とても好きなホームページなだけに、もっと木製サッシの魅力を伝えて欲しいと感じました。木製サッシの魅力を余すことなく表現して欲しいのです。TOPページに小さく「木製サッシの魅力」があるけれど、それが木製サッシの魅力の全てとは思えません。【木製サッシの魅力の全て】というページを作って欲しいのです。木製サッシはアルミサッシに比べるとまだまだシェアが低い製品です。市場を大きくするには木製サッシの「魅力」を伝え、木製サッシに対する「不安」や「誤解」を払しょくする必要があるのではないでしょうか?わかりやすい製品情報に加え、施工に関する情報や木製サッシの啓蒙活動にも取り組むことをお勧めします。そうしたコンテンツを充実させることでさらにレベルの高いWebサイトにできるでしょう。現在の施工実績もより説得力を持つと思います。


アルス株式会社

診断URL:http://yumemado.com/

●診断内容

この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
きれいで必要な情報はあるけど・・・あまり印象に残りませんでした(すみません)。全般的に写真が小さく、文字が多いことも気になりました。自社の強みや特長をもっと研ぎ澄ましたほうが良いと思います。一目で木製サッシの会社だとわかること、そして、会社の雰囲気が伝わってくることがこのホームページの良さですが、肝心の商品の良さが伝えきれていません。他の木製サッシに比べ何が良いのか?夢まどが選ばれる理由をもっと明確にすべきかもしれません。性能、実績、歴史、サポート、価格、意匠性、品揃え、施工性などから、初めてのユーザーにもわかりやすく、選ばれる理由を伝える必要があります。アルミサッシとの比較コンテンツも少しわかりにくいかもしれません。木製サッシに対しユーザーが感じる不安や疑問、期待や憧れ・メリットを理解した上で商品の魅力を再構築することをお勧めします。プロユーザーとお施主様、それぞれのニーズは違うので、まずはターゲティングを明確にすることが必要ではないでしょうか。


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Webサイト診断

※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。

執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるホームページ、失敗するホームページには共通点があるものです。
対象企業すべてのホームページを比較したうえで、各ホームページ問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/

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