キャリアテープ業界 Webサイト診断

 

ホームページの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にホームページを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のホームページを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、ホームページの改善にお役立ていただければ幸いです。

診断日:2021年9月


目次

旭工芸株式会社

診断URL:http://asahi-kog.co.jp/

●診断内容

この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
コンパクトにまとまった見やすいサイトですが、少し物足りない印象です。歴史と実績があり、キャリアテープで国内マーケットシェア60%と良い会社なだけに勿体ないと感じました。
例えばメインビジュアルの3枚のスライドはどれも興味を惹く内容で良いと思うのですが、これらを深堀し説明しているページがありませんでした。「紙キャリアテープの加工能力の高さ」や「独自製法を持っていること」は感じられるのですが…それを裏付けるような具体的な情報やデータが乏しいため、そこまで印象に残らずもったいない状況です。貴社の強みをユーザーにしっかり知ってもらうためにも「旭工芸ならではの強み」を伝えるコンテンツを作られることをおすすめします。その際はメインビジュアルのスライドとリンクさせるなど導線も考えると良いでしょう。最後にお問い合わせフォームがSSL未対応な点も気になりました。ユーザーにセキュリティの不安を感じさせずにお問い合わせいただけるよう、フォームはもちろんサイト全体のSSL化もご検討されることをオススメします。



株式会社サワエ

診断URL:http://sawae-ss.com/

●診断内容

この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
”エンボスキャリアテープのトップメーカー” というキャッチコピーがまず目に入り、”3000型以上の金型製作の技術力で難課題を解決!” と具体的な数字の入ったフレーズに期待感が高まりました。下にスクロールすると「サワエの技術・自社内一貫生産体制」のフローも図でわかりやすく説明されていて好感が持てます。規格品がない中で製品サンプルの写真の掲載、材質・仕様・深さの明示、さらに【Q&A】の説明など、初めて訪れたユーザーにもとても親切だなと思いました。気になった点ですが、グローバルメニューが白い細文字でやや見づらく、英語なのが残念です。スタイリッシュさはあるのですが、英語ではなく日本語にされたほうがわかりやすいです。また、貴社の柱の技術の1つである「テーピング加工」もコンテンツが「準備中」となっているもの気になりました。トップページからの動線もありますし早急に用意するようにしましょう。規格品がないのでなかなか難しいとは思いますが、”3000型以上の金型製作” の実績を裏付けるコンテンツがあるとさらに説得力が増すと思います。最後にお問い合わせフォームを含め、常時SSL未対応です。ユーザーが安全にサイトを利用するためにも早めの対応をオススメします。



東洋レックス株式会社

診断URL:https://www.toyorex.jp/

●診断内容

この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
真っ先に ”1972年(昭和47年)創業。積み上げてきた信頼と実績” というコピーが目に入り期待感が高まったのですが、中を見てみるとイマイチ目的のわからないサイトでした。グローバルメニューの【採用情報】は特設サイトにリンクされていて、よく作り込まれているので採用に力を入れていることは伝わります。しかし、肝心の本サイトが何のためにあるのかわかりません。特に【事業内容】はキャリアテープに関する一般的な説明だけで貴社製品の情報が一切ないので、製品検討のために訪れたユーザーはすぐにサイトを出て行ってしまうでしょう。ホームページは「誰」に「何」をしてほしいのか?という視点が重要です。仮にサイトからの引き合いは求めておらずブランディングを重視しているとしても、やはり貴社ならではの良さが伝わらない現状では「体裁を整えただけ」に見えてしまいます。まずはしっかりと目的を定めサイト全体を見直すことをお勧めします。
最後に細かなことですが、【採用情報】を押した際に同じタブでメニューの異なる採用サイトに移動してしまい戸惑いました。特設サイトが開くことを明記した上で別タブで開くようにした方が親切だと思います。



株式会社ミヤタシステム

診断URL:https://miyatasystem.net/

●診断内容

この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
採用ページと会社情報に絞り込んだ思いきりの良いサイトです。「誰」に「何」を見てもらいたいのか明確で期待感をもって採用ページを見させていただきました。すると・・・本社、岡山、鹿児島すべて「現在、募集しておりません。」とても残念な気持ちになりました。おそらく既存客向けには、ログインした後で豊富な情報や非公開の技術情報、サポート情報などあるのだと思います。しかしこれでは、ホームページを公開する意味があまり感じられませんでした。疑問に思いもう一度サイトタイトルを読んでみると ”エンボスキャリアテープの製造、および電子部品のOEM製造については、岡山県のミヤタシステムにお問い合わせください。” と営業的なメッセージが書かれていました。それならば、きちんと製品情報を公開し新規案件獲得を目指したほうが良いでしょう。


※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のホームページを対象に診断を行っています。
※ホームページ調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。

執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からホームページを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/

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