Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2019年1月
日本エアーテック株式会社
診断URL:http://www.airtech.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
【当社製品の強み】がわかりやすく説得力がありました。”日本で唯一のクリーンエアーシステム専門メーカー” という強みから入り、”国内2年保証” 、”グローバルな対応もお任せ下さい” とざっと見ただけで安心できる人もいると思います。ストレスなく必要な情報にアクセスでき良いホームページです。
今のままで充分良いホームページですが、定期的に情報発信できるような目玉情報を用意するとさらにレベルの高いホームページになります。製品情報と会社情報に偏りがちなことが問題だと思います。ユーザーの困りごとに寄り添う情報発信を定期的に行なうことがこのホームページの課題です。例えば「技術資料&テクニカルレポート」は有益な情報の宝庫だと思われますが、現状では題目一覧でしかありません。問い合わせした人に無料進呈しているようですが、せっかくの情報だからこそコンテンツとしてホームページで公開してみてはどうでしょうか。
最後に、ユーザーに安心してアクセスしてもらえるように常時SSLに対応することをお勧めします。
株式会社ホクト総研
診断URL:https://e-cleanbooth.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
“従来の半額以下という低価格” のウリを活かしきることがこのホームページの課題です。ホームページ全体として伝えたい情報に優先順位がついていないように感じました。価格訴求でわかりやすく商品をPRし、「見積もり依頼」や「問い合わせ」といった商談機会を創出するまでの流れをシンプルにする必要があります。情報の整理整頓ができていないことが一番の問題点。サイドメニューが多すぎて選びにくく、デジタルブックとサイドメニューで名称が統一されていないこともホームページをわかりにくくする要因です。
また、【納入実績一覧】のページでは上部にある業種別のボタンがほとんど機能していません。肝心のコンテンツも準備中で、なおかつ重複しています。企画倒れのまま公開されているので非常にもったいないことをしています。
オフィシャルホームページとの役割分担もうまくできていないように感じました。この2つのホームページでもコンテンツの重複があります。クリーンブース専業の会社でホームページを二つに分ける必要があるのか?分けることでかえってユーザーに不便をかけることはないか?そういう視点でホームページ運営されることをお勧めします。
蒲田工業株式会社
診断URL:https://www.kamata.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
ソリューションをウリにできている好感の持てるホームページです。更新もできています。14個のお困りごとのテーマそれぞれに豊富な事例が紹介されています。一つずつの事例のクオリティーも高く、会社としてWebサイトを重視していることがよくわかります。これだけの事例を公開するには、Web担当者だけではなく営業担当や技術担当など多くの人の協力が不可欠です。
「Webサイトを通じた情報発信が仕事に役立っている」という実感を各部署が感じているからできているのだと思います。このほかにも自社で「表面処理ガイド.com」「気密検査カプラー専門ホームページ」を運営されており、レベルの高い運営ができています。欲を言うならばセミナーやイベントなどのリアルの活動との連動を強化して【お問合せ】【資料請求】以外のゴールを設定し、商談機会を増やす工夫をすると良いと思います。
三共空調株式会社
診断URL:http://www.sankyo-ku.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
食品衛生や工場・病院のクリーン化に貢献する会社らしい、整理されたきれいなホームページです。【製品情報】のイラストも親切です。現場のクリーン化に製品で貢献するということが伝わります。悪いところはありませんが、本当にこれがベストなのか?という疑問はあります。例えばサポート情報や困りごと解決事例の情報はなくても良いのか?施工や設置に関する情報は不要なのか?を考え、製品情報+αの情報でユーザーの疑問や不安に応えていくことがこのホームページの課題だと思います。
有限会社環境エンジニアリング
診断URL:https://www.clean-booth.net/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
クリーンブース関連のホームページを色々見ましたが一番好みのホームページです。シンプルでわかりやすく、欲しい情報や気になる情報にすぐアクセスできます。言いたいことが多すぎてかえって、伝わらないホームページの多い中、お手本になるホームページです。情報設計がきちんとでき、更新もできています。気になることはほとんどありません。
しいて言うなら会社情報をもう少し充実させることが課題だと思います。今のままでは、業界内では比較的新しい会社で規模も決して大きくないことに不安を持つ人がいるかもしれません。信頼感があり安心して任せられるとユーザーが感じるようもう一工夫あっても良いと思います。
そして、小さいことですが営業対応できるエリアをもっとしっかり表現したほうが良いように思いました。「関東近県なら対応してもらえそうだけど・・・」と感じる人がいるかもしれません(私はそう感じました)。対応エリアを明確にすることで機会ロスやミスマッチを減らすことができるのではないでしょうか。
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Webサイト診断※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるホームページ、失敗するホームページには共通点があるものです。
対象企業すべてのホームページを比較したうえで、各ホームページ問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/