Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2020年6月
関西化学機械製作株式会社
診断URL:https://www.kce.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
一見シンプルでわかりやすそうですが、よく見ると物足りなさを感じました。まず、貴社の主力事業のはずなのに、グローバルメニューの【プラントエンジニアリング】が物足りません。内容は事業に関する十数行の説明と納入事例のみですし、その事例もかなり淡泊。守秘義務の関係で載せられない情報も多いのだとは思いますが、持っている情報をいかに公開可能な形にするかを考えることはWebサイト運用の重要なポイントです。
また、【技術情報】は「蒸留とは」から始まるコンテンツが大半を占めていますが、本来【技術情報】と言えば「蒸留時間短縮」「開発製品 技術解説」などをメインとするのが自然ではないでしょうか。貴社との取引を検討しているユーザーに「蒸留とは」という情報が有用なのかは疑問です。
「開発製品 技術解説」や製品の受賞歴などからきっと技術力のある会社なのだと思います。そのノウハウを活かし、各コンテンツの内容をブラッシュアップして相乗効果を高め、ユーザーに響くWebサイトを目指すことをおすすめします。
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Webサイト診断日本化学機械製造株式会社
診断URL:https://www.nikkaki.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
2020年4月にリニューアルされたばかりのWebサイトです。常時SSL化やスマートフォンにもしっかり対応し、ぱっと見てプラントエンジニアリングメーカーと分かるようなトップ画像も好印象です。少し気になったのは「日本化学機械製造が選ばれる理由」というページ。せっかく貴社の強みや特長がわかりやすく説明されているページなのに、トップページの下部からしかリンクがありませんでした。残念ながらユーザーはWebサイトを隈なく見るわけではありません。グローバルナビゲーションに追加したり、トップページの上部に配置することでユーザーの目に触れる機会も増え、貴社の強みをユーザーに伝えることができると思います。
最後に、Webサイトのリニューアルはゴールではなくスタートです。定期的な情報発信やページの拡充と共にWebサイトの効果検証などもしっかり行っていかれると良いのではないでしょうか。
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Webサイト診断中央化工機株式会社
診断URL:https://www.chuokakohki.co.jp
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
2020年3月にリニューアルされたばかりの新しいWebサイトですね。トップページには製品動画が使用されていて、製品のイメージや現場の臨場感が伝わってきます。気になった点ですが、 “GO AHEAD TO OPEN UP” という英語のキャッチコピーがわかりにくいなと思いました。トップの大部分を占める重要なフレーズですので、もう少し具体的なものが良いかもしれません。NEWS TOPICもマメに更新されていますが、狭い枠内でのスクロールは使いづらく、見づらいのが残念なところです。グローバルメニューの【製品紹介】を期待感をもってクリックしたのですが、各製品の仕様や詳細ページがないのも残念です。まだこれからコンテンツを増やしていく予定だと思いますが、「導入事例」も追加するとさらに良くなるでしょう。
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Webサイト診断中国精油株式会社
診断URL:http://www.chusei-oil.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
採用や会社PRを目的にしていることがよく伝わりました。【採用情報】は「採用コンセプト」「先輩の仕事紹介」「働く環境」と親しみやすくよくできています。しかし、エントリーフォームがサイト内にないのが不思議です。マイナビへのリンクも機能しておらずこれでは不親切です。また、【お問い合わせ】ページも中身が事業所一覧で、各拠点の住所と電話、FAX、地図という構成になっており、初めて問い合わせする人は躊躇するでしょう。Webサイトを「誰」に見てもらい「何」を伝え、どう「行動」して欲しいのか?ユーザーや学生、取引先はどのようなことを貴社に期待しているのか?Webサイトで知りたいのか?それらを考えた上でWebサイトのゴールを検討する必要があります。工夫が随所に見られ好感が持てるだけに、ゴール設定が甘くもったいないことをしています。それからユーザーに安心してアクセスしてもらうにはSSL対応は必須です。なるべく早く対応することをお勧めします。
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Webサイト診断薮田産業株式会社
診断URL:http://www.yabuta.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
すごく魅力的な会社だと思いました。メニューもオーソドックスであまり悪いところはありません。しかし、せっかくの魅力を引き出し切れていないのがとても残念です。Webサイトをしっかり読んで、初めて良い会社だとわかったのです。そこがこのサイトの一番の問題です。Webサイトをじっくり見るユーザーは少数派なのです。多くのユーザーに魅力を感じてもらうには、一瞬で「この会社は期待できる」と感じてもらう必要があります。そうした目線で、トップページのキャッチコピー ”確かなろ過技術をグローバルに” はもの足りません。他の会社でも使えそうなキャッチコピーです。【YABUTAの魅力】のページもきちんと読めば良いことがたくさん書いてありますが、ブラッシュアップすれば本来の魅力をもっといかんなく表現できると思います。国内ろ過機メーカーで唯一フィルター(ろ布)を自社製作していることや、薮田式ろ過圧縮機が生まれた歴史的な背景・特徴など、他社に真似できないオリジナリティーあふれるコンテンツにブラッシュアップできるネタはあります。自社の持ち味を見つめ直しユーザー目線で翻訳しなおせば劇的に改善しそうなサイトです。
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Webサイト診断※本資料では、執筆者宮本が特に気になった5社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/