Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2020年11月
東フロコーポレーション株式会社
診断URL:http://www.tofco.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
シンプルなWeb サイトですがコンテンツ幅が狭く、文字が見えづらい部分があります。モニタサイズが多様化していますので、レスポンシブデザインに変えることをおすすめします。 【 製品情報 】 は「気体用」「液体用」などカテゴリ分けされていて分かりやすいなと思ったのです
が、製品ぺージをクリックするとカタログぺ ジが開き、残念な気持ちになりました。 Web 上で閲覧する情報は HTML ページにすることをお勧めします。「 What’s new 」はしっかり更新されていて、好感が持てます。 【 お問い合わせ 】 ですが、「資料請求」「型式選定・お見積り依頼」「Eメール」をクリックすると「接続は完全に保護されていません」という警告が出て、ページを開くことができませんでした。ユーザーが安全に Web サイトを使用するためにも、サイトの常時 SSL 化対応はいまや必須です。早急にご対応されたほうが良いでしょう。 【 オンラインストア 】 ですが通常オンラインストアというと、製品と価格がメインで表示されているページを想像しますが、クリックしてみると想像とは違うページでした。お知らせやバナーがゴチャゴチャしていて、製品がどこにあるのか迷ってしまいます。貴社の強みとなるコンテン
ツでもあると思いますので、再度見直してはいかがでしょうか。
カワキ計測工業株式会社
診断URL:http://www.kawaki.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
2020年 5 月に「 Web 会議ソフトによるサポートサービス」の開始をお知らせしており、素早く時勢に対応している点に好感が持てました。しかし、期待感を持ってリンクをクリックしたところ製品ページに飛んでしまいがっかりしました。専用のページをすぐに用意できなかったの
かもしれませんが、それならばせめてお知らせ内でもう少し詳細な説明が欲しいなと感じました。またサイト全体を通して、競合サイトよりも圧倒的に情報が少ないです。ほとんど会社情報と製品スペックの紹介だけで終わっており、カタログの焼き直しになってしまっていると思
います。生産財業界で 70 年も事業を継続されているのですから、きっと確かな技術力や選ばれる理由があるはずなのですが、それが伝わってきません。 2009 年のリニューアルから 10 年以上経過していることですし、貴社の強みを正しく伝えることができ、かつ更新しやすいサイト
へのリニューアルを検討されてみてはいかがでしょうか。
東京流機工業株式会社
診断URL:http://www.ryuki.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
お知らせがマメに更新されている点やすっきりと見やすいサイトデザインは好印象です。ただ今のサイトでは貴社の強みが伝わりづらく印象に残るサイトにはなっていないかもしれません。ユーザーは競合他社と比較し製品を検討しています。サイトに載せるコンテンツは競合を意識
し内容を充実させる必要があります。たとえば、「導入について」「サポートの詳細」「よくある質問」といった情報は製品を真剣に検討しているユーザーにとって重要な情報ではないでしょうか?きちんとコンテンツを用意している競合企業もいらっしゃるので、しっかり対応さ
れることをおすすめします。 【 検査・校正 】 は差別化できるコンテンツだと思うので、こういったページを増やしていかれると良いでしょう。最後に、サイトが常時 SSL に対応されていない点が気になりました。特に個人情報を取り扱う「お問い合わせ」ページの SSL 化は早急の
対応が必要です。サイトリニューアルから 5 年以上経過されているので、この機会に現状のビジネスに沿ったサイトになっているのか一度チェックされてみるのも良いのではないでしょうか。
日本テスコン株式会社
診断URL:http://nihon-tescon.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
きれいなデザインだし更新もできています。しかし、いいなとは思えませんでした。
Web サイトの目的をはっきりさせた上で「誰」に「何」を伝えたいのか?そして、どう行動して欲しいのか?を突きつめ独自性の高い情報発信をすることをお勧めします。例えば、圧倒的な量と質の技術情報、導入事例、親切でわかりやすいサポート情報、臨場感あふれるオンラインデモ動画など、どれも同業者のサイトにはない此処でしか見ることのできない情報です。そうした情報発信ができるのであれば、 TOP ページのキャッチコピーも他社では使えないオリジナルなものにできるでしょう。今のキャッチコピー ”常にユーザーの視点からご要望に沿った製品をご
提案” は他社でも使えるものなのでユーザーの心に刺さらないと思います。他社を圧倒する魅力あるサイトを目指して欲しいなと感じました。最後に、ユーザーの個人情報を守るために最低限 SSL に対応しセキュリティー対策を行うことをお勧めします。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/