Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2021年4月
フィーサ株式会社
診断URL:https://www.fisa.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
見習うべき部分も多いレベルの高いサイトです。特に【FISAの強み】は貴社の強みがしっかり伝わる内容になっていました。お問い合わせもユーザーニーズにあわせ、多数のフォームが用意されており素晴らしい心配りだと思います。ただ細かな点では気になる部分がいくつかありました。まず【事例/技術情報】ですが、記事タイトルの先頭に「メルマガ××××年×月号」がついているのはもったいないです。メルマガの内容を載せるのは良いのですが、【事例/技術情報】のコンテンツとしてふさわしいタイトルに編集するとよりユーザー関心度が上がると思います。次にグローバルメニューの【成形用語集】ですが「よくある質問」や「動画コンテンツ」の方が、ユーザーに興味を持ってもらえる情報かもしれません。アクセス解析で状況を確認し差し替えてみてはいかがでしょうか。とはいえレベルの高いサイトであることは間違いないので今後もしっかり運用していってほしいと思います。
世紀株式会社
診断URL:https://www.seiki-hot.com/japanese/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
グローバルサイトの更新や採用情報、環境への取り組みなど企業としてしっかり取り組まれ、Web活用にも積極的な姿勢が伺えます。【商品一覧】の商品ページもHTMLでしっかり作りこまれており、【納品までの流れ】の記載などユーザーの利便性も考えられており、レベルの高いWebサイトです。しかし、気になった点がいくつかあります。まず、トップページの “できなかったを、できるに変える” “可能性をつくるメーカー” というキャッチコピーが漠然としていて勿体ないなと思いました。トップ右下にブランドアピールの動画があり、その下の「BRAND」ボタンを押すと、ブランド説明があるのですが「メーカーの枠を超えた提案力・課題解決力」を示す根拠が弱いなと感じました。動画は目に入りずらいので、まずはトップのキャッチコピーで貴社の強みを訴え、ユーザーの心をぐっとつかむようなフレーズに変えたほうが良いでしょう。また、それと連動してブランドのコンセプトや強みを裏付けるコンテンツを用意しましょう。その一つとなりうる【ソリューション・事例】もクリックしてみるとスペック表や写真の羅列だけになっており、想像とは違い残念な気持ちになりました。「課題解決ニーズから選ぶ」といった切り口は良いと思うので、導入の背景や製品導入による課題解決、実際のお客様の声などを記載すると良いコンテンツになると思います。
株式会社IPM
診断URL:http://www.ipmold.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
簡潔に自社製品のメリットを紹介したメインビジュアルや、“40年の蓄積ノウハウ” “最短3週間で、カスタムメイドの製品も納品いたします” といった具体的な「IPMの強み」で期待感が高まるTOPページです。しかし、中身が淡白すぎます。グローバルメニューの【IPMの強み】も製品情報も、競合他社と比較して圧倒的に情報が足りません。加えて、各種資料についてもお問い合わせページに “資料請求・業務内容等お気軽にお問い合わせください。” と記載があるだけでサイト上でカタログなどの閲覧もできず物足りなく感じました。特に【カスタムメイド】は発注に対するハードルも高いので、「ご依頼から納品までの流れ」を明確にしたり、「開発事例」「技術情報」をもっと充実させることが望ましいです。
現在のサイトは少し古くなっているので、そろそろリニューアルの時期かもしれません。その時は「誰」に「何」をして欲しいのか?考えた上できちんとフォーム(ゴール)を用意し、そこに導くための導線や情報をしっかり充実させることを強くお勧めします。
株式会社十王
診断URL:http://www.ju-oh.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
TOPページで真っ先に目に入った「外部加熱方式」がどう優れているのかを知りたいと思ったのですが、614HOT RUNNER SYSTEMの説明では “熱源に『電磁誘導加熱』を用いることにより、ほぼ全ての材料に適用可能” とアピールし電磁誘導加熱の原理を説明しているだけで、外部加熱方式のメリットについては書かれていませんでした。TOPのコピーと製品説明文が連動しておらずもったいないです。また、会社概要の販売コンセプトでは ”365日、24時間のサービス体制です” と謳っているのに「アフターサービス」についてのページもなく、ここも看板と中身にずれが生じています。今のサイトはカタログ情報しか得られず、製品や会社の良さがあまり伝わりませんでした。お知らせがなく最新情報に更新されているのかわからないことも説得力をなくしている原因です。サイトも古くなっているようなのでそろそろリニューアルすることをお勧めします。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/