ホームページの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にホームページを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のホームページを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、ホームページの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2021年8月
株式会社サーフコート
診断URL:https://www.surfcoat.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
すっきりとしたデザインでストレスなく閲覧できるサイトではあるのですが、見た目の印象よりもコンテンツが少ないように感じました。特に気になったのがTOPの “あらゆる形状・材質を問わず、試作から量産まで対応” というコピーを裏付ける根拠が弱いこと。現状は貴社の強みの説明が【Q&A】頼みに見えてしまいます。このコンテンツ自体は細やかで悪くないので、別途【選ばれる理由】などを用意し訴求力を高めると良いでしょう。「なんでも出来ます」というコピーはかえって強みがぼやけてしまう恐れがあるので、使うのであればサイト内でしっかりと具体的に説明することが大切です。また、【事例紹介】が写真のみで各コーティング紹介ページの「完成品のご紹介」と同じというのももったいないです。製作の背景なども含め紹介できるともっと響くコンテンツになるのではないでしょうか。最後になりますが、お知らせの更新が2020年4月で途絶えています。過去の更新も「休業のお知らせ」が大半で、「コーティングコラム」も2020年10月の一記事しかありません。まずは定期的に更新できる運用体制づくりが先決です。
みのる産業株式会社
診断URL:http://f-minoru.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
パッと見て何の会社なのかすぐに分かるのは好印象です。ただ、貴社の特長や強みまでは伝わってこなかったので、少し工夫されるともっと良くなるのではないでしょうか。例えば「全国に誇るみのる産業の技術」には貴社の特長について紹介があり、そこで使っている “新規受注年間200社以上” や “塗料メーカーとの技術提携により幅広いコーティング・塗装ノウハウを網羅” といったコピーの方がインパクトを与えることができると思います。また「全国に誇るみのる産業の技術」はスクロールしないと表示されないコンテンツなので、グローバルメニューに追加した方が良いでしょう。次に【樹脂別コーティング】と【コーティング効果】ですが、しっかり情報量もあり競合と比較しても充実した内容になっています。少し気になったのは【コーティング効果】というネーミング。ページ内にある「機能別コーティング」の方が分かりやすいと思いました。また導入事例が【樹脂別コーティング】にしか載っていない点ももったいないです。この2つに関しては、ユーザー目線を意識した表現や構成に改善できればより良いコンテンツになると思います。
サント・サーフェイス株式会社
診断URL:http://www.santo-sys.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
製造業のホームページらしく、最低限の情報がコンパクトにまとめられています。しかし全体的に貴社の特徴や強みが伝わりづらく、製品情報が充実しているだけにもったいないなと思いました。構成や見せ方次第でもっと解りやすいホームページに変えられると思います。まずトップのキャッチコピーですが、少し長く漠然とした印象を受けます。貴社のウリである「サント・コーティング」のどのような点が優れているのか、初めてサイトを訪れたユーザーでも瞬時にわかるようなものに変えることをおすすめします。また、一般的なサイトに見られるサイト上部のグローバルメニューが見当りません。ユーザーが情報にたどり着くまでの重要なサポートとなりますので、グローバルメニューの設置をオススメします。さらに、コンテンツ幅が狭いため、文字も小さくなりごちゃっとした印象になっています。あらゆるデバイスに対応したレスポンシブデザインに変更したほうが良いでしょう。現状、最低限の情報となっていますが新規ユーザーをターゲットとして狙っていくのであればコーティングの流れや導入事例、Q&Aなどのサポート情報があったほうが親切です。お問い合わせフォームを含め、常時SSL化もされていません。そろそろホームページ全体の見直しが必要かもしれません。
株式会社フロロテクノロジー
診断URL:https://www.fluorotech.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
「シンプルにフッ素コーティング技術の高さを伝え、サンプル請求や技術的なお問い合わせをしていただく」という意思が明確なサイトで好感が持てます。特に動画がわかりやすかったです。それから【導入事例】も、従来のコーティング剤で解決できなかった課題を何とかしたいエンジニアをターゲットにしているのだと感じられる、説得力のあるものとなっていました。しいて気になるところを挙げるとしたら、【導入事例】にどんな事例があるのかページを開いた瞬間に分からないので、ページ内のメインビジュアルは取ってあげたほうが親切でしょう。【フロロテクノロジーのポリシー】も同様です。とは言え、ターゲットユーザーとゴール設定が明確で参考になる部分の多いサイトでした。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のホームページを対象に診断を行っています。
※ホームページ調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からホームページを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/