Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2021年3月
株式会社三啓
診断URL:https://www.sankei-coltd.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
すっきりと整理され好感の持てるサイトです。商社には珍しい【技術情報】が用意されているのにも驚きました。特に「試料作製の条件」では条件別に詳しく説明され、技術商社らしいコンテンツだと思います。そんな魅力的なサイトですがいくつか気になる点がありました。まず「ソリューションラボ&ショールーム」 のページですが、ラボとショールームだけに内容を絞った方がすっきりします。(現状ではPDFしか用意されてないのでhtml化も必須です)それ以外の「最適な「試料のつくり方」を提供します」「お客様に役立つ4つのサポート」「よくあるご質問」は独立したページにしたほうが効果的です。良いコンテンツがあってもサイトの中で埋もれてしまえば宝の持ち腐れになってしまいます。最後に【製品情報】の「製品から選ぶ」「目的から選ぶ」ですが、一見すると同じページに見え残念な印象でした。製品点数が多いので、製品分類にアイコンを利用するなど視覚的な工夫を凝らし、製品までの導線をより丁寧にすると一段上のサイトになると思います。
株式会社菱光社
診断URL:https://www.ryokosha.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
精密機器専門商社のため、取り扱い製品、取り扱いメーカーなど情報量が多い中でよくまとまっているWebサイトだと思います。取り扱いメーカーの外部サイトに飛ばすだけのサイトが多い中、製品が用途から選べるようになっていたり、製品一つ一つのページがHTMLぺージでしっかり作りこまれていて、ユーザーにとって親切だなと思いました。ただ、数ある商社の中でなぜ貴社が選ばれるのか?その理由を磨き上げ、TOPページで表現できるとさらに良くなります。貴社の強みはメーカー選定からともに携わり、お客様の要望を伺いながら製品企画・設計・製作・検査などをサポートできる点だと思います。【企画設計】の中に「設計例」はあるのですが、もう少し企画の段階から携わった詳しい事例があると面白いコンテンツになるかもしれません。“公的補助金制度無料コンサルタント” も他社にはない興味深い取り組みだと思います。このような別の切り口から顧客との接点を持つことは貴社独自のウリにつながると思います。やや新規の開拓を展示会に頼っている傾向が見られますが、トップバナーではショールームにある装置の「Webデモ対応」なども行われています。ぜひ展示会に頼らない、オンラインでの新規開拓にも力を入れていってほしいなと思います。
明伸工機株式会社
診断URL:http://www.meishin-k.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
更新もまめに行えており、新品校正無償などのキャンペーンも多数案内していて意欲的にサイト運営しようという姿勢が窺えます。ただ、その意欲にWebサイトが見合っていないように感じられました。最も問題なのは【取扱製品】です。ページ上部の分類検索や「カテゴリーから探す」で表示できるのは一般的な説明のみですし、「メーカーから探す」でメーカー名をクリックするとメーカーサイトに飛んでしまいます。きちんと製品情報にたどり着けたのは「新製品情報」だけでした。この状況は【取扱製品】というメニュー名とかけ離れていますし、2015年の製品まで新製品情報として表示されることにも違和感があります。また、グローバルメニューの【取扱メーカー】は【取扱製品】の「メーカーから探す」と内容が被っていて訴求力も弱いので、TOPで案内している「技術サポート」をグローバルメニューに配置した方が良さが伝わるサイトになると思います。メインのキャッチコピー ”お客様の笑顔のために そして日本のものづくりの未来のために” も汎用的で強みが伝わらずもったいないです。
【ソリューション】【新技術情報】など磨けば光るコンテンツもあるので、一度サイトの問題点を洗い出した上で情報を整理し再構成してみてはいかがでしょうか。
宇野株式会社
診断URL:https://www.amust-net.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
サイト上で「ノギス」「ノギス」など全角カタカナと半角カタカナが混在していることがとても気になりました。またTOPページのメイン画像も気になります。2018年のHACCP改正食品衛生法やRoHS指令の解説記事は情報も古く、通販サイトのメインビジュアルにそぐわないコンテンツです。測定に関する業界用語集も閲覧できません。更には画像のリンクがすべて別ウインドウで開き使い勝手も悪いです。サイトの造りも古いですし、今の時代にそぐわない機能も散見されます。これを機にリニューアルし、用語統一やリンクのルールをつくって更新することを強くお勧めします。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/