ホームページの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にホームページを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のホームページを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、ホームページの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2021年7月
古賀産業株式会社
診断URL:https://www.koga-sangyo.com/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
写真のクオリティも高く、全体的によくまとまったレベルの高いホームページです。【新着情報】もマメに更新されていますし、【製品情報】では動線もよく考えられ、Web活用の積極性がうかがえます。良いサイトだからこそ、少し手を加えるだけでさらに良くなりそうなポイントがあります。まず、「3Dチラー&フリーザー®︎」の特長や仕組みはしっかり記載されているのですが、他社と比べてどのような点が優れているのかイマイチ見えてきません。貴社のウリや強みを盛り込み、他社との違いを出すとさらによくなるでしょう。続いて、【導入事例】についてです。「パン」「寿司」「洋菓子」など食材から事例を選べるようになっており、期待感を持ってクリックしたのですが中身を見てみると、惜しい!と思ってしまいました。他社では4分程度の動画を使って導入事例を紹介しているところもあります。導入機種は記載されていますが、貴社の製品の写真は一切なく内容も少し寂しい印象を受けます。実際にどの機種を導入したのか製品へのリンクをつけたり、お客様の生の声などを入れるとより説得力が出てくると思います。最後に【お客様サポート】ですが、「パブリシティ」というコンテンツが含まれているのに違和感を感じます。サポート内に必要なコンテンツなのか、再度検討してみてはいかがでしょうか。
株式会社アビー
診断URL:https://www.abi-net.co.jp/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
2020
年 8 月にリニューアルしたばかりのサイトです。デザイン性が高く、グローバルメニューの先頭に 【 Vision 】 を配置するなどブランディングへの意識が窺えます。しかし、中を見てみるとコンテンツの質にムラがあり、ユーザーの期待感に対して物足りない内容が多いように感じました。例えば 【 Vision 】 や 【 CAS 】 は充実しているのに、同じ情報量を期待して 【 Company 】 や【 Product 】 を見るととても淡白です。 【 Download 】 もカタログが閲覧できると思ったら補助金のチラシが 1 つ置いてあるだけでした。 【 Case 】 内も同様です。水産の事例は編集も凝った動画になっていてとても感心したのですが、その他の畜産、乳製品、加工食品・調理食品は簡単な Q&Aだけでがっかりしてしまいました。農産に至っては 1 つも事例がありません。業界によって重要度が異なるのは理解できますが、それならばレイアウトを工夫しユーザーを落胆させないようにすべきです。グローバルメニューも少し多いので、優先順位を意識して情報を整理しシンプルな構成に
した方が良いでしょう。最後になりますが、英語のみのメニュー表記もお勧めしません。特に【 CAS 】 は一見してどんなコンテンツかわかりませんでした。 English サイトも別で用意があるので日本語サイトは日本語表記に統一してはいかがでしょうか。
国益冷機有限会社
診断URL:http://kokueki-reiki.com/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
競合と比べると情報量が少なく物足りなさを感じました。「デモの申し込み」がこのサイトのゴールだと思いますが 今のままではデモを申し込みたいというレベルまでいかないかもしれません。まずは貴社の強みをしっかりと伝えることが重要です。例えば 【 製品紹介 】 ですが、「他社のフリーザーと何が違うのか?」という視点は大変良いと思います。ただ、冒頭のポイントがあっさりしすぎていて貴社製品の良さが伝わってきませんでした。貴社の強みをしっかり紹介した上で競合との比較情報を持ってくるとより信憑性が出ると思います。またコスト面が特に優れているのであればその部分を強調するのも効果的です。トップバナーも「従来製品より 1/5 以下の低コストを実現」といった具体的なコピーに変更するのがおすすめです。次に 【 事例紹介 】 が用意されていない点も気になりました。導入を真剣に検討しているユーザーにとって、事例紹介は特に興味がある内容です。競合も力を入れており、動画や様々な業界事例をサイト上で載せています。貴社も早急に対応する必要があります。サイトリニューアルも視野に入れつつ取り組まれてみてはいかがでしょうか。
株式会社光商事
診断URL:https://www.hikarico3.com/
●診断内容
この診断ではホームページを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
TOPページの構成を、もう少し要点をまとめた読みやすい内容にすることをお勧めします。よく読めば良いことも書いてあるのですが、気持ちよく読み進めることができませんでした。 40℃ の急速冷凍がウリだと思いますが、 ”従来の冷蔵庫の 1/6 1/10” の凍結時間というのも比較対象が曖昧で説得力が弱いです。従来の冷凍方式の問題点を家庭用の冷蔵庫にみられるエアーブラスト方式で説明されていますが、リキット方式、コンタクト方式、液化ガス方式など他の方式の問題点にも触れた上で貴社製品と比べたほうが親切でしょう。また、冷凍時間を具体的に証明するコンテンツが欲しいです。信頼感も増すのでデータを開示することをお勧めします。そして、 【 製品紹介 】 の情報が他サイトに比べ少なすぎます。製品の特長、仕様をはじめなるべく詳しく製品情報を公開しなければ、他社製品より良いということが伝わらないでしょう。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のホームページを対象に診断を行っています。
※ホームページ調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からホームページを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/