Webサイトの評価には、アクセス数などの客観的な指標だけでなく「実際にWebサイトを訪れたユーザーがどのように感じるのか」という主観的な評価も重要です。この資料では、製造業専門Webマーケティングコンサルタントの視点から、各企業のWebサイトを主観的に評価しコメントしています。業界内では得ることが難しい第三者の意見として、Webサイトの改善にお役立ていただければ幸いです。
診断日:2020年9月
カワソーテクセル株式会社
診断URL:https://www.kawaso-texcel.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
“明治10 年創業” 140 年を超える歩み” というフレーズから歴史のある会社なんだなという印象を受けます。しかし、“環境対応に加えて耐久性まで。感性と想える製品でも開発余地は多い。” というトップのキャッチコピーとのズレを感じます。グローバルメニューの一番最初に 【 会社情 報 】 を持ってきていますし、貴社の強みとして創業の歴史や老舗感を押し出したいのでは?と感じます。ファーストビューでユーザーに何を一番に伝えたいのか、もう一度考えてみたほうがよいでしょう。 【 お知らせ 】 をしっかり更新しているのは好感がもてるのですが、下までのスクロールが長いです。過去のものはアーカイブとしてまとめたほうが良いでしょう。「水冷・空冷ヒートシンク比較ページ」(https://www.kawaso-texcel.co.jp/water_cooled/index.html ) は新たなコンテンツとして良いと思うのですが、選ばれる理由としては今一つ裏付けが弱い気がします。水漏れしない実証データがあるとさらに信憑性が増すと思います。 【 お問い合せ 】 はすべてメーラーが立ち上がるようになっています。カスタムオーダーが多いのだと思いますが、問い合わせの管理を強化するためにもお問合せフォームの設置をおすすめします。
株式会社栄鋳造所
診断URL:http://www.sakae-v.com/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
内容は充実しているのに・・・メインビジュアルやメニュー構成がわかりにくく損をしていると感じました。まず TOP ページのビジュアルですが、第一印象では「鋳物の会社」ということしかわかりません。グローバル人材の採用に力を入れられているようですが、日本と海外でわざわざ
サイトを分けているのですから日本サイトのキャッチコピーは日本語にした方が良いでしょう。また、グローバルメニューもわかりにくいです。
【 V プロセス 】 は初見だとなんのことかわかりませんし、 【 製品紹介 】 の中身は製品の強みや特徴で看板とズレがあります。 【 設計 】【 開発 】も技術情報を期待しましたが、実際は設計サービスの案内と開発パートナー募集でした。サイト内にどんな情報があり、どのような見出しでどう配置すればユーザーがストレスなく閲覧できるのか、よく考えた上でサイト設計を練り直すことをおすすめします。最後に、お問い合わせフォームを含め SSL 未対応です。ユーザーがセキュリティーに不安を感じないためにも、常時SSL化対応は必須です。
株式会社クライン
診断URL:http://www.cline.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
トップ画像、キャッチコピー、簡潔なグローバルメニューからシンプルで分かりやすいサイトという印象を受けました。 【 5 つの強み 】 では左側のマークのような画像がとても目を引きました。説明も簡潔な文字量でまとまっており、スムーズに頭に入ってきました。うまく強みが伝
えきれていない企業が多い中でしっかり差別化できる部分だと思います。ただ 【 加工材料 】 では細かすぎて見づらい点や〇と△の違いについて説明がない点が気になりました。素材選択すると、対応する加工方法が表示されるなどの工夫をされるとより良いコンテンツになると思い
ます。最後にサイト運用についてですが、このサイトが作られた時点では公開予定だった「技術情報」ページ、まだ何も情報がアップされていませんでした。さらに「お知らせ」も 2019 年4 月から更新されていません。 Web サイトは公開されてからが本番です。常に最新情報をアッ
プできるようサイト運用されることをおすすめします。
シンワ電子株式会社
診断URL:http://sinwa-e.co.jp/
●診断内容
この診断ではWebサイトを見た第一印象から特に気になった点に絞り述べさせていただきます。
何をやっている会社か
TOP ページで伝わり、構成もシンプルでストレスなく見ることができました。気になったのが、(旧)日本インターの専属代理店としての信頼を自社の強みとして押し出している点です。それ自体は素晴らしいことなのですが、 2016 年に京セラに統合されたので少し表現方法を見直すことをお勧めします。それから、パワー半導体のお客様を徹底サポートするための調達事業と自社加工品という強みを最大限に生かすためにどのような情報発信が必要か?他社が真似できない持ち味がもっと表現できるように思います。例えば、営業エリアについての記述がありませんが、全国一律で対応するのか?それとも地域特化型のビジネスを展開しているのか?どのような仕組みでお客様を徹底サポートしているのか?そういった部分を掘り下げても良いかと思います。また、 Web サイトにお知らせがなく、会社案内とカタログ代わりに留まっていることももったいない点です。
※本資料では、執筆者宮本が特に気になった4社のWebサイトを対象に診断を行っています。
※Webサイト調査時の検索順位を元に上位順に紹介しています。
執筆者紹介
宮本栄治(株式会社コスモブレインズ取締役)
「これまでの経験を活かし第一印象からWebサイトを診断しました。個人の主観による診断ではありますが、成果を上げるサイト、失敗するサイトには共通点があるものです。
対象企業すべてのサイトを比較したうえで、各サイト問題点を1点取り上げさせていただきました。」
《個人ブログ》「製造業のWebマーケティング」URL:https://eijimiyamoto01.blogspot.jp/